DDCoMS-PCoMS-RISME 計算物質科学セミナーシリーズ 2025

―計算科学によるデータ創出、活用にむけて―

概要: 本セミナーシリーズでは、計算科学による大規模な材料データの創出例や活用例、計算物質科学とデータ科学の融合研究例を紹介する。 2025年度も「計算材料科学が主導するデータ駆動型研究手法の開発とマテリアル革新(DDCoMS)」のメンバーによる事例紹介や、データ科学を活用した材料研究の事例紹介を行う。 また、それらの研究手法を理論とアプリの実習から学ぶハンズオン付き講習会も開催する。

なお、本セミナーシリーズは、
1)「スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラム」(2023-2025年度)に採択された「富岳」のみが可能なデータ駆動型マテリアル研究手法の開発を目的とした「計算材料科学が主導するデータ駆動型研究手法の開発とマテリアル革新(DDCoMS)」、
2)「科学技術人材育成のコンソーシアムの構築事業(次世代研究者プログラム)」(2015-2022年度)への採択を受けて設立され、計算物質科学分野の学生や若手研究者の支援を進めてきた「計算物質科学人材育成コンソーシアム(PCoMS)」、
3)「データ創出・活用型マテリアル研究開発プロジェクト(DxMT)」(2022-2030年度)の拠点の一つで、多様な極限環境下で長期使用可能な構造材料とその利用技術のデータ駆動型開発を行う「極限環境対応構造材料研究拠点(RISME)」
の共催で実施する。

第3、第4、第5回の3回はオンラインでの開催で、第3回はDDCoMS サブ課題D エレクトロニクス材料(科学大拠点)の多田 朋史 九州大学 教授、第4回はサブ課題E バイオ・高分子材料(京大拠点)の松林 伸幸 大阪大学 教授、第5回はサブ課題C 電気化学材料(東大拠点)の佐藤 龍平 東京大学 助教を講師に迎え、講演いただく。
第6回は、ハイブリッド開催で、産学の双方で利用者が多く、マルチスケール シミュレーションに加え、シミュレーション結果の機械学習も可能な「ソフトマテリアルのための統合シミュレータ: OCTA」のハンズオン付き講習会を、開発者の方々(森田 裕史 産業技術総合研究所マテリアルDX 研究センター・副研究センター長 青柳 岳司 昭和女子大学・特命教授、本田 隆 株式会社JSOL・博士、小沢 拓 株式会社JSOL・博士)を講師に迎え開催する。

日程 / date : 【開催済み】(第1回:応用レベル)2025年11月4日(火) 16:15 - 17:45(最長18:15)
        / 16:15 - 17:45(-18:15 at the latest), Nov. 4 (Tue), 2025 【第1回詳細はこちら】

【開催済み】(第2回:応用レベル)2025年11月25日(火) 13:00 - 17:30 / 13:00 - 17:30, Nov. 25 (Tue), 2025
【注:第2回はPCoMS次世代研究者セミナーとの合同開催。詳細はこちら】

(第3回:基礎レベル)2026年1月19日(月) 10:00 - 11:30(最長12:00)
        / 10:00 - 11:30 (-12:00 at the latest), Jan. 19 (Mon), 2026 【第3回詳細はこちら】

(第4回:応用レベル)2026年2月10日(火) 10:00 - 11:30(最長12:00)
        / 10:00 - 11:30 (-12:00 at the latest), Feb. 10 (Tue), 2026 【第4回詳細はこちら】

(第5回:応用レベル)2026年3月2日(月) 10:00 - 11:30(最長12:00)
        / 10:00 - 11:30 (-12:00 at the latest), Mar. 2 (Mon), 2026 【第5回詳細はこちら】

(第6回:基礎レベル・応用レベル)2026年3月17日(火) 10:00 - 17:20
        / 10:00 - 17:20, Mar. 17 (Tue), 2026 【第6回詳細はこちら】

     
申込方法と〆切 /
How to apply and
the deadline :

現在、第3回―第6回のお申し込みが可能です。
なお、第6回の現地会場の定員が40名と少ないため、先着順で定員に達した場合は早めに募集を締め切る場合があります。ご注意ください。
次回、第3回(2026/1/19開講分)は2026/1/16(金)13:00迄まで[申込みフォーム] よりお申し込みください。
1月16日(金)17:00までに接続方法をご案内します。

上記のGoogle formでの登録が出来ない場合は、 [申込フォーム(エクセル版)] をダウンロードしていただき、必要事項を記載の上、1月16日(金)13:00までに
PCoMS事務局[ pcoms=grp.tohoku.ac.jp (=を@に変更してください。)]宛て 
にお送りください。

Now the application for 3rd-6th seminar is available. Please apply on [the application form] by Jan. 16(Fri) 13:00, 2026 for the 3rd seminar on Jan. 19(Tue) [hybrid style]. We will inform you how to connect to the online virtual seminar by 17:00 on Jan. 16(Tue).
Please note that due to the limited capacity of 40 persons at the on-site venue of 6th seminar, registration may close early on a first-come, first-served basis once capacity is reached.

開催方法 /
meeting style:

[第1回]
オンライン開催(事前登録制)
/ online virtual meetings (Pre-registration required)

[第2回PCoMS-RISME-CCMS 計算物質科学セミナーシリーズ2025 & PCoMS次世代研究者セミナー]
ハイブリッド開催(事前登録制)
オンサイト会場:東北大学 金属材料研究所 国際教育研究棟2階セミナー室(片平キャンパス)
        〒980-8577宮城県仙台市青葉区片平2-1-1
アクセスマップ:http://www.imr.tohoku.ac.jp/ja/about/location.html
/ hybrid (online virtual & in-person meetings) [Pre-registration required]
On-site Venue: Seminar Room on 2nd floor, International Center of Educational Research, Institute for Materials Research, Katahira Campus, Tohoku University
access map:http://www.imr.tohoku.ac.jp/en/about/location.html
[第3-5回]
オンライン開催(事前登録制)
/ online virtual meetings (Pre-registration required)

[第6回]
ハイブリッド開催(事前登録制)
オンサイト会場:東北大学東京オフィス
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー10F(東京駅直結)
アクセスマップ:https://www.bureau.tohoku.ac.jp/somu/tokyo/access.html
言語 / language : 日本語 / Japanese  

講師 / lecturers : 【終了】「第1回」[2025/11/4]:応用レベル
木野 日織 教授(統計数理研究所)/ KINO Hiori (Professor, The Institute of Statistical Mathematics)

【終了】「第2回 DDCoMS-PCoMS-RISME計算物質科学セミナーシリーズ2025> & PCoMS次世代研究者セミナー」
[2025/11/25]:応用レベル
新里 秀平 助教(大阪大学)/ SHINZATO Shuhei (Assistant professor,Osaka University)
福島 省吾 助教(東北大学)/FUKUSHIMA Shogo (Assistant Professor, Tohoku University)
森 仁志 助教(東北大学)/ MORI Hitoshi (Assistant Professor, Tohoku University)
新屋 ひかり 主任研究員(産業技術総合研究所)/ SHINYA Hikari (Research Scientist, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST))

「第3回」[2026/1/19]:基礎レベル
多田 朋史 教授(九州大学) / Prof. TADA Tomofumi (Professor, Kyushu University)


「第4回」[2026/2/10]:応用レベル
松林 伸幸 教授(大阪大学)/ Prof. MATUBAYASI Nobuyuki (Professor, The University of Osaka)

「第5回」[2026/3/2]:応用レベル
佐藤 龍平 助教(東京大学)/ Prof. SATO Ryuhei (Assistant Professor, The University of Tokyo)

「第6回」[2026/3/17]:基礎レベル・応用レベル
森田 裕史 副研究センター長(産業技術総合研究所 マテリアルDX研究センター)
/ Dr. MORITA Hiroshi (Deputy Director, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST))
青柳 岳司 特命教授(昭和女子大学)/ Prof. AOYAGI Takeshi (Specially Appointed Professor, Showa Women's University)
本田 隆 博士(株式会社JSOL)/ Dr. HONDA Takashi (JSOL Corporation)
小沢 拓 博士(株式会社JSOL)/ Dr. OZAWA Taku (JSOL Corporation)


主な対象 : (基礎レベル)計算物質科学が専門外のMC学生以上 (理工系MC以上)
(応用レベル)DC学生、PD、研究者、計算物質科学が専門のMC学生 (応用レベルのみの回は簡単な導入部有)

基礎レベル・応用レベルは独立な内容を取り扱います。部分的な受講も可能です。

参加費 /
registration fee :
無料 / free

プログラム
/ program :
                                                                 
【「第1回」詳細情報はこちら】 ダウンロード用プログラム[第1回] (ver. 2025/10/23)

【「第2回 DDCoMS-PCoMS-RISME計算物質科学セミナーシリーズ2025> & PCoMS次世代研究者セミナー」
  詳細情報はこちら】
ダウンロード用プログラム[第2回] (ver. 2025/11/07)

【「第3回」詳細情報はこちら】 ダウンロード用プログラム[第3-第6回共通] (ver. 2025/12/23)

【「第4回」詳細情報はこちら】 ダウンロード用プログラム[第3-第6回共通] (ver. 2025/12/23)

【「第5回」詳細情報はこちら】 ダウンロード用プログラム[第3-第6回共通] (ver. 2025/12/23)

【「第6回」詳細情報はこちら】 ダウンロード用プログラム[第3-第6回共通] (ver. 2025/12/23)




第6回 DDCoMS-PCoMS-RISME計算物質科学セミナーシリーズ2025
2026年3月17日(火)10:00 - 17:20
<基礎レベル・応用レベル>
「OCTA講習会&トレーニング2026」

  
講師
森田 裕史 副研究センター長(産業技術総合研究所 マテリアルDX研究センター)
/ Dr. MORITA Hiroshi(Deputy Director, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST))
青柳 岳司 特命教授(昭和女子大学)/ Prof. AOYAGI Takeshi (Specially Appointed Professor, Showa Women's University)
本田 隆 博士(株式会社JSOL)/ Dr. HONDA Takashi (JSOL Corporation)
小沢 拓 博士(株式会社JSOL)/ Dr. OZAWA Taku (JSOL Corporation)

仮スケジュール
10:00-10:05 開会挨拶 久保 百司 (東北大学)
10:05-10:35 OCTAの概要 森田 裕史(30分)
10:35-11:20 COGNACの機能と事例紹介 青柳 岳司(45分)
11:20-12:05 SUSHIの機能と事例紹介 本田 隆(45分)
12:05-12:20 総合質疑応答(15分)
12:20-13:30 昼食休憩(70分)
13:30-15:30 OCTAトレーニング1 小沢 拓 (120分)
15:30-15:45 休憩(15分)
15:45-17:00 OCTAトレーニング2 小沢 拓 (75分)
17:00-17:15 総合質疑応答 (15分)
17:15-17:20 閉会挨拶 川勝 年洋 (東北大学)

         ※ OCTAトレーニング1&2では、以下の内容を予定。
         ・ファイル操作や可視化、Pythonスクリプトの使い方
         ・COGNACとSUSHIを用いたマルチスケールシミュレーション
         ・AIToolを用いたシミュレーション結果の機械学習(画像分類)
         ・現地会場では講師がトレーニングのサポートをします

概要
 今回、産学の双方で利用者が多く、マルチスケール シミュレーションに加え、シミュレーション結果の機械学習も可能な「ソフトマテリアルのための統合シミュレータ:OCTA」の講習会を、DDCoMS、PCoMS、RISMEとの共催で実施いたします。

 「ソフトマテリアルのための統合シミュレータ:OCTA」は経済産業省およびNEDOの出資による「高機能材料設計プラットフォームの研究開発」通称「土井プロジェクト」)の成果物として2002年に公開されました。
プロジェクト終了後もバージョンアップが続けられ、2024年9月に最新版のOCTA8.5がリリースされました。

 また、2017年7月には、OCTAの応用事例をまとめた成書である「高分子材料シミュレーション-OCTA活用事例集」(化学工業日報社)の増補版も発行されました。2016年7月には同書の英訳に相当する”Computer Simulation of Polymeric Materials. Applications of the OCTA System"もSpringer社から出版されています。
 さらに、経済産業省およびNEDOの出資により、2016年度に産業技術総合研究所を中心として始動した「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」においてAI活用による材料開発の加速などを目的としてOCTAの機能拡張が実施され、その成果はOCTA8.5にも搭載されました。
 これらの背景のもとに、このたびOCTAの講習会とトレーニングを開催します。OCTAを使い始めたばかりの方、これからOCTAを使ってみようとする方、あるいは「そもそもOCTAって何?」という興味を持たれた方など、主に初心者向けの内容です。

 前半ではシミュレーションに用いられている理論的背景の解説を行い、その後、後半にて実際にOCTAを使って操作法を学んでいただきます。
(各自のPCにOCTAをインストールして頂きます)。
内容としては、
・OCTAの代表的な入出力ファイルとその可視化方法
・OCTA上でのPythonスクリプトの使い方
・COGNAC(分子動力学エンジン)とSUSHI(平均場法エンジン)を用いたマルチスケールシミュレーション
・AITool(機械学習ツール)を用いたシミュレーション結果の機械学習のデモ などを取り上げます。
 また、午前と午後のそれぞれのセッションの最後にOCTAに関する総合的な質疑応答の時間を取り、 ユーザー、エンジン開発者との直接的な議論の場を設けます。
---------------------------------------------------------------
[ダウンロード用プログラム&各自でご用意いただく物]

■各自でご用意いただく物
トレーニングではOCTA8.5を用います。
以下の手順を参考に、できるだけ事前にインストールを行っておいてください。

■トレーニングで用いるOCTAのダウンロード方法

対応OS
今回の講習会はWindowsOSにて説明を行います。テキストはWindows向けの記載です。
当日の実習のサポートOSはWindows 11に限定させていただきます。

Linux/Macについては、事前にインストールしていただき、
問題が生じた際にご自身で対応いただける場合は受講可能です。
講習会当日、講師によるサポートはできませんのでご注意下さい。
拡張OCTA(AItool)の機能はLinuxでは動作確認済みですが、Macでは未確認です。

(1)OCTA-BBSのサイトにアクセスしてください。
https://octabbs.jp/OCTABBS/
※初めての方は上記サイトでアカウント登録を行うことを推奨します。
(インストーラのダウンロードのためには不要です)

(2)上記サイトにあるOCTA8.5の中に入って下さい。
「OCTA8.5 INSTALLER」に含まれる「OCTA85_WIN64.zip」が最新版のインストーラです。。
ダウンロードしたインストーラを実行して、インストールしてください。
対象OSはWindows 11 となります。
※※今回のセミナーで用いるほとんどの機能は「OCTA8.4」でも可能ですが、
一部の画面やフォルダ構成が異なるため、できるだけ「OCTA8.5」をご準備下さい。
 理由があって「OCTA8.4」をお使いの方には、当日のフォローが行き届かない
可能性があることをご了承下さい。

(3) インストール後、COGNACなどのエンジン実行時にエラーが出る場合、
「Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージ(2015、2017、2019、および2022)」
をインターネットで検索、ダウンロードしてインストールしてください。
例えば、
https://learn.microsoft.com/ja-jp/cpp/windows/latest-supported-vc-redist?view=msvc-170#visual-studio-2015-2017-2019-and-2022
にあります vc_redist.x64.exe が相当します(64bit版)。




第5回 DDCoMS-PCoMS-RISME計算物質科学セミナーシリーズ2025
2026年3月2日(月)10:00 - 11:30(最長12:00)
<応用レベル>
「数理科学を用いた分子動力学計算中の現象解析」

講師  佐藤 龍平 助教(東京大学) *DDCoMS サブ課題C電気化学材料(東大拠点)メンバー
    / Prof. SATO Ryuhei (Assistant Professor, The University of Tokyo)

近年、Universal Machine Learning Potential の進展により、分子動力学(MD)計算を用いた反応・輸送などの現象論的解析が急速に広がっている。一方で、MD 解析は依然として研究者の視覚的観察に大きく依存しており、多体問題の普遍的な解析手法は未だ確立していない。ポアンカレが指摘するように多体問題に一般解は存在せず、実際の解析では二体分布関数などの二体近似や、原子座標・時間発展から得られる統計量が主な指標となってきた。そのため、分子動力学シミュレーション中の多体現象を客観的に扱うための枠組みが不足しており、観察の任意性が理論研究のボトルネックとなっている。本講演では、この課題を克服するため、MD計算中に現れる多体相関や現象を体系的に抽出するアプローチとして、パーシステントホモロジー解析、グラフ理論、データ同化に基づく解析手法を紹介する。


第4回 DDCoMS-PCoMS-RISME計算物質科学セミナーシリーズ2025
2026年2月10日(火)10:00 - 11:30(最長12:00)
<応用レベル>
「全原子MDによる高分子系の機能解析」

講師  松林 伸幸 教授(大阪大学)*DDCoMS サブ課題Eバイオ・高分子材料(京大拠点)メンバー
    / Prof. MATUBAYASI Nobuyuki (Professor, The University of Osaka)

高分子は分離を行うための主要な材料であり、分離機能は高分子に対する異種分子の溶解性や拡散性、吸着能によって規定される。これらの物性は原子レベルの相互作用によって決まるため、全原子モデルを用いたMDシミュレーションによって高分子と異種分子の相互作用を解析することが望ましい。本講演では、共重合体も含めた多様なポリマー系における小分子の溶解性と拡散性、吸着能の高分子構造に対する依存性を対象として、大規模全原子MDシミュレーションと溶液統計力学手法による解析を紹介する。結晶や非晶といった高分子の集合様態が溶解や拡散に及ぼす影響、および、高分子界面における吸着能を規定する分子間相互作用を原子レベルで議論する。


第3回 DDCoMS-PCoMS-RISME計算物質科学セミナーシリーズ2025
2026年1月19日(月)10:00 - 11:30(最長12:00)
<基礎レベル>
「遺伝的アルゴリズムによる未知構造探索」

講師  多田 朋史 教授(九州大学)**DDCoMSサブ課題Dエレクトロニクス材料(科学大拠点)メンバー
    / Prof. TADA Tomofumi (Professor, Kyushu University)

本講演では計算機シミュレーションを用いた構造探索手法のひとつである遺伝的アルゴリズムを用いた未知構造探索について紹介する。前半では遺伝的アルゴリズムによる構造生成の概要と、系のエネルギー計算に第一原理計算を使用することで見出した新しい電子化物(エレクトライド)の例を紹介する。後半では、計算コストの高い第一原理計算の代わりとして近年よく用いられている機械学習ポテンシャル法について動力学計算や反応障壁計算を例に紹介し、機械学習ポテンシャルと遺伝的アルゴリズムとを組み合わせることで、未知構造探索に必要な計算時間が第一原理計算をエネルギーソルバーとして使用する場合よりも明らかに低減できることを紹介する。


第2回 DDCoMS-PCoMS-RISME計算物質科学セミナーシリーズ2025

PCoMS次世代研究者セミナー
<応用レベル>
2025年11月25日(火)13:00 - 17:30

<スケジュール>
13:00-13:05   開会挨拶(久保 百司 東北大学 教授)

「第2回 DDCoMS-PCoMS-RISME計算物質科学セミナーシリーズ2025」
13:05-14:05   新里 秀平 助教(大阪大学大学院基礎工学研究科)
「機械学習原子間相互作用を用いた構造材料の変形・破壊解析」

14:05-15:05   福島 省吾 助教(東北大学金属材料研究所)
「近年の機械学習ポテンシャルの発展と計算材料分野における実用例」」

15:05-15:25   休憩

15:25-16:25   森 仁志 助教(東北大学金属材料研究所)
「電子―フォノン相互作用の効率的な理論計算とその応用」

「PCoMS次世代研究者セミナー」
15:25-16:25   新屋 ひかり 主任研究員(国立研究開発法人 産業技術総合研究所マテリアルDX研究センター)
「第一原理計算による強磁性半導体の理論研究」

13:00-13:05   閉会挨拶(川勝 年洋 東北大学 教授)



<講演概要>
「機械学習原子間相互作用を用いた構造材料の変形・破壊解析」
 新里 秀平 助教(大阪大学大学院基礎工学研究科)
 材料研究では、機械学習を用いた新材料探索の進展や原子レベルの観察技術の発達により、原子シミュレーションの重要性が一段と高まっている。原子シミュレーションでは原子間相互作用のモデル化が重要だが、従来の経験的ポテンシャルは大規模計算が可能な一方で定量性に限界があり、第一原理計算は高精度ながら計算コストが高く、扱える空間・時間スケールに制約がある。こうした計算コストと信頼性のトレードオフは、近年の機械学習モデルを用いた原子間相互作用記述、いわゆる機械学習ポテンシャルの発展により克服されつつある。本講演では、機械学習原子間相互作用の基礎と特徴を概説し、構造材料の変形・破壊解析への応用事例を紹介する。

「近年の機械学習ポテンシャルの発展と計算材料分野における実用例」」
 福島 省吾 助教(東北大学金属材料研究所)
 分子動力学法は、原子レベルでの化学反応や構造変化を追跡できる数値シミュレーション手法であり、材料物性の理解や設計に広く用いられている。
 近年では、機械学習によって高速化と高精度化を同時に実現する試みが注目されている。
 特に、グラフニューラルネットワークを基盤として原子間相互作用を記述する機械学習ポテンシャルは、 従来の手法よりも高い精度と汎用性を示し、活発に開発が進められている。
 本講演では、機械学習ポテンシャルの近年の発展動向と、計算材料科学分野における具体的な応用例について概説する。

「電子―フォノン相互作用の効率的な理論計算とその応用」
 森 仁志 助教(東北大学金属材料研究所)
 私たちが日常的に使っている金属や半導体の中では、原子が常に小さく振動している。この振動は量子力学的には「フォノン」と呼ばれ、熱や音の伝わり方を決めるだけでなく、電子の動きにも大きく影響を与える。電子がフォノンと強く結びつくと、電気抵抗が変化したり、超伝導のように電気抵抗がゼロになる特別な状態が現れたりする。
 近年、計算機の発達により、原子や電子の運動を量子力学の原理から直接計算できる「第一原理計算」という手法が大きく発展してきた。この手法を用いることで、フォノンと電子の相互作用をミクロなレベルで理解し、材料の性質を定量的に予測することが可能となっている。
 本講演では、まずフォノンとは何か、電子とどのように関係しているのかといった基礎的な概念を説明する。続いて、電子―フォノン相互作用を第一原理的に解析するための計算手法と、我々が開発してきた高効率な計算法について紹介する。さらに、それらを応用して得られた電子輸送特性や超伝導の計算例を示し、理論と実験をつなぐ近年の進展および今後の展望について議論する。

「第一原理計算による強磁性半導体の理論研究」
 新屋 ひかり 主任研究員(国立研究開発法人 産業技術総合研究所マテリアルDX研究センター)
強磁性半導体はその名のとおり強磁性体の性質を併せ持つ半導体であり、将来のスピントロニクスデバイスを担う有望な候補材料として精力的に研究が進められている。本講演では、強磁性半導体を対象とした第一原理計算による二つの研究例を紹介する。
(1) 高温強磁性半導体であるInFeSbに着目し、第一原理計算に基づいて強磁性発現のメカニズムを解明し、より高性能な材料設計の指針を探索した。
(2) GaMnAsでは、伝導特性が特異な温度依存性を示すことが知られている。そこで、有限温度における第一原理計算を実施し、伝導特性の評価を行うことで、その起源の解明を行った。





第1回 DDCoMS-PCoMS-RISME計算物質科学セミナーシリーズ2025
2025年11月4日(火)16:15 - 17:45(最長18:15)
<応用レベル>
「材料科学における非等長データの解析:
 頻出パターンマイニングと置換・証拠理論の活用 」

講師  木野 日織 教授(統計数理研究所)*DDCoMS サブ課題B磁性材料(NIMS拠点)メンバー
    / KINO Hiori (Professor, The Institute of Statistical Mathematics)

 材料科学の実験や測定で得られるデータは、しばしば欠損を含み、また変数の長さも揃わない「非等長データ」となります。大学で研究や実験に取り組む学生にとっても、このようなデータをどう扱うかは重要な課題と思います。本講演では、その課題に対応する二つのアプローチを紹介します。第一は「頻出パターンマイニング」を利用する方法です。欠損を含むデータから繰り返し現れる規則性を抽出し、材料の性質や挙動を分類するために活用します。第二は「置換を利用する手法」で、非等長な変数を適切に対応づけることにより推薦システムとして機能させるアプローチです。特に、複数の実験データや文献データといった異なる情報源を統合する際には、証拠理論(デンプスター=シェーファー理論)を利用し、不確実性を考慮しながら信頼できる推薦を導きます。講演ではPythonコードを交え、理論から実装までを具体例を通じて紹介します。

参考文献:木野 日織, ダム ヒョウ-チ 著「改訂版 Pythonではじめるマテリアルズインフォマティクス: ChatGPTを活用しよう」 (近代科学社Digital) 第6章




問合せ先 /
contact address:
Professional development Consortium for Computational Materials Scientists (PCoMS)
PCoMS office
(pcoms=grp.tohoku.ac.jp : Please replace = with @.)
東北大学金属材料研究所 計算物質科学人材育成コンソーシアム(PCoMS)事務局
メール: pcoms=grp.tohoku.ac.jp (=を@に変更してください。)

共催 / cohosts : 計算材料科学が主導するデータ駆動型研究手法の開発とマテリアル革新(DDCoMS)
  / Data Driven Computational Materials Science(DDCoMS)

計算物質科学人材育成コンソーシアム(PCoMS)
  / Professional development Consortium for Computational Materials Scientists(PCoMS)
極限環境対応構造材料研究拠点(RISME)
  / Research Initiative of Structural Materials for Extreme Environment(RISME)


協賛 /Cooperation : 東北大学 金属材料研究所 計算材料学センター
  /Center for Computational Materials Science, Institute for Materials Research, Tohoku University

計算物質科学協議会
  /Computational Materials Science Form
データ創出・活用型マテリアル研究開発プロジェクト データ連携部会
一般財団法人 高度情報科学技術研究機構(RIST)



PCoMS web top page